最近、いわゆるスマホ世代の若い人たちに、CONTAX G1 + Planar 45mm/F2 + natura1600 で撮影した写真を見てもらう機会があった。暗い室内の撮影のため、F2.8くらいの開放気味で撮影した写真を見せたところ、「立体的」、「トイカメラのよう」、「ボケが良い」という評価があった。自分としては、手前の人物も奥の人物もピントが甘くなっており、集合写真としては不合格だなと思っていたが、スマホのカメラに慣れている人たちには、新鮮に映ったようだ。特に、皆の評価が、ボケに関する部分に集中していたのが印象に残った。つまり、若い人たちの所有するカメラでは、なかなか表現できないものが、ボケなのだろう。そもそも、ボケとは日本特有の文化のようだ。というのも、英語のWikipediaにも「Bokeh」として、項目が載っているのだ。Bokeh is the blur, or the aesthetic quality of the blur, in out-of-focus areas of an image. と書いてある。かつて、どこかの文章で、欧米では、被写界深度が深い方が好まれると読んだことがある。よく見えない、あやふやな、ぼんやりしたところに意味を見いだすというのは、いかにも日本的らしいのだろう。その「ボケ」のところに、若い人たちがもっとも注目するというのは、日本人らしさを考える上で非常に興味深い。