我が家にある35mmフィルムカメラの調子がいずれも悪い。APSフィルムカメラも、CONTAX Tixの調子が悪く、フィルム生活に不安があった。APSの方は、CANONのIXY310がまだ現役なので、それで現状をしのいでいるが、35mmの方は、EOS55もCONTAX G1も思い通りに動かなくなっている。どちらも通常利用に心配がある。
今後もフィルムを使い続けるつもりなので、やれレンジファインダー機がいいだとか、やれ名機がいいだとか言っていられなくなってきた。中古でも良いのだが、ある日突然動かなくなる危険性を考えると、新品同様のものをひとつ入手して、メーカー保証の安心のもとに長く使いたい。そういう理由で、ぼんやりとFM10のことを考えていた。
今回たまたま、御殿場のニコンアウトレットに行く機会があり、そこでそれなりに良好状態の、保証もついたFM10を見つけることができた。価格もお手頃である。最初ボディのみの購入を考えていたが、様々な理由でレンズキットを購入することになった。いわゆる名レンズはそのうちに…(笑)。お店の人とフィルムカメラの販売について話していたところ、F6もあるし、フィルムカメラはまだ大丈夫ですよ! みたいな話をしていたが、一方でFM10はもう製造はしていないでしょうね、みたいな話も出てきて、安心はできない。しかし、F6がありますよ、と言われてもお値段が違います(笑)。来年100周年だそうなので、どんなカメラが出てくるか楽しみでもある。フィルムカメラはまず出てこないと思うが。
ちまたの評判はあまり良くない。あまり良くないどころか、ほとんどない。誰もこのカメラのことを気にも止めていない。そういうカメラである。今なぜこのカメラを、という疑問はいつでもつきまとう。欠点を上げればキリがないカメラである。しかし、わたしには、持ち運びが軽く、今後のフィルムカメラ生活を長きにわたって維持してくれる大切なカメラなのだ。今週末の試写が楽しみである。レンズも平凡なものだが、35mmから70mmを撮影出来て、たいていのことなら、これ1台でなんとかなる。こういうカメラでスナップショットをとるのは、とても楽しそうだ。